もぐぞうのあなぐら

周りの人達と上手く渡り歩けないもぐぞうが日々感じたことや考えを思うままに書き連ねます。

ドラマの穴

デート~恋とはどんなものかしら 第二話 感想

いやあ、面白いね。本当に面白い。
自分の理想とする生き方を忠実にこなす女と自分の事しか考えないクズな男の対立が見事だ。
そして社会のまっとうな正論を持った常識にとらわれた男の存在。
自分のあるべき姿を手に入れるためには何事にも努力を惜しまない藪下依子。
35歳にして一度も働いたことがなく、親に寄生するニート、谷口巧。
やりたくなくてもやらなければ生きていけないと自分に言い聞かせながら、自分の生き方が正しいと信じて疑わない鷲尾豊。
この対比がお互いの会話で繰り広げられるのがテンポ良く見ていて楽しい。
みんな狭い価値観の中で生きているんだよね。
それを敢えてあからさまに見せることが古沢良太の狙いだろう。

たぶん、最終的に依子と巧は結ばれないだろうなあ。
初めての恋をするだけで終わるんだろう。
ただ、そこまでに繰り広げられるドタバタが面白いんだろう。
第一話の杏のアヒル口。
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第二話のハセヒロのダンス。
おもろすぎる。

ラスト、プロポーズの際の掛け合い。そしてダンス後の巧の主張に正論で返す鷲尾。
巧を「社会からすればエラー」だと言い切る依子。

でも、結局依子の中には「父がまた泣くから」っていう言葉が重くのし掛かっているんだよね。
その為だけに結婚をしようとしている。
誰かのために、何かのために結婚しようとしている二人。
そこには気持ちや感情はない。
その事は一話のラストでも語られていた。
最後に、八景島シーパラダイスで仲良くラブラブなカップルも喧嘩別れをする。
理屈でいっても、感情でいってもうまく行かない男女の仲、なかなか難しいな。

正直、クズな巧の論理は好きだな。
高等遊民だと自己を肯定する姿は滑稽だが好感が持てる。
おそらく自分を正当化するためにとってつけた都合の良いラベルだろう。
そこに「高等遊民の矜恃」なんてものはない。自分を正当化しているだけ。
でも、でも簡単には否定できないし、嫌いになれないし、腹も立たない。
だって今の俺となんも変わらないから。
どっちかというと巧くらい大声で叫べればどんなにマシだろうかと思う。
あそこまではっきり胸を張って言う勇気すらない。(まあ、それだけ巧は切羽詰まっているのだろうけど。)
いちいち正論で返す鷲尾は正しいんだろうけど、好きにはなれない。
世の多くがそういう意見なのは分かるし、それが一般的に当たり前なんだろう。
生きていくために働くのが当然だ。みたいな正論は好きになれない。
一方で巧を「社会のエラー」と言い放つのもどうかと…。
いやいや、巧を肯定する訳ではないんだ。どうしようもないクズだと思う。
でもねえ、やっぱ巧に肩入れして見てしまう。
きっちりした依子は窮屈だよね。
とくに「努力を惜しみません」と言い切る姿は怖いくらい。

来週はなんかトラブルに巻き込まれるみたいだけど楽しみだ。
そうやって色んな状況に三人を置いてそれぞれの立場で自分の思いをぶつけ合うんだろう。
そこが面白い。
しかし、どうして鷲尾は依子に惚れたんだろうなあ。
やっぱルックスなのか?あのがっちがちの性格なのかなあ。
ほんとこれは毎週楽しみなドラマだ。

メディアの評判とは本当にアテにならないものだ。

TVのハードディスクの容量がギリギリになってきたので昨年夏話題になった「昼顔」を今更ながらに見た。
放送中はなんか不倫を認めるような言葉や、世間では昼顔妻は増えてるみたいなことを言っていていたが、
いやいやどうしてしっかりと人間像というかキャラを立てていて、脚本もしっかりしていて良いドラマだったと思う。
男、女のご都合主義のドラまでなんかなかったし、そもそも不倫なんてものは昔からあったもので、
ただケータイの普及、SNSの普及でやりやすくなったのと統計が取りやすくなり数値化して目に見えやすくなっただけのことである。
女性が不倫をどう捉えてるか、どういうイメージを持っているか、そして不倫をすればどうなるかしっかり描かれていたと思う。
高畑淳子さんと鈴木浩介さんの演技は素晴らしかったし、伊藤歩さんの嫌な女っぷりも見事だった。
またネクストブレイクに10年選ばれている(笑)斎藤工さんも意外とよかった。
齋藤さんには次は違う演技を見せてもらいたいなあと思う。素の演技なのかそのキャラクターだからああいう演技だったのかが知りたい。
脚本は井上由美子さんという方で、僕はまったく知らなかったのだが、古くから書いておられる方のようだ。
ラストはちょっと物議を醸したようだが、あれはあれで良いと思う。
変に不倫を美化されてもどうかと思うし、お互い前を向いて生きられるようになったあのエンディングは良かったと思う。
なにより、高畑さんと鈴木さんの演技は抜群だった。
ラスト姑の高畑さんが息子の嫁である上戸彩との別れのシーンでの台詞や演技は見ているこちらが泣けてきた。
後、校長先生(りりィ)の最後の台詞はウケた。
元々、「邪魔なキャラ」だなあと思っていた。北野(齋藤工)の学校の校長なのだが、女性の校長に見えるが、キャラが強く、ちょっとしたシーンでも記憶に残ってしまうくらい強烈なキャラで、「なんでこんなキャラがいるの?」と思っていたが、
ラストで、「男は幾つになっても青いなあ。だから私は大人の女が好きなんだ」と言わせるためにいたのね!って感じで、お見事!!と言う他なかった。
ある種、ドラマのオチとも言えるもので、井上さんの男どもに向けてのアンチテーゼだったんだと思う。
また、世の女性に対して「男ってのはみんなそんなもんだから覚えて置けよ」と言っているようにも思えた。

結局、不倫もののドラマではなく、好きな人が出来た時にはお互い結婚していたというもので、
でも、お互いが結婚しているということはどういうことなのかを伝えたいドラマだと思う。
だからといって、結婚を早まるべきではないということでもなく、
不倫を美化するものではなく、好きになると時には周りが見えなくなるし、周りのことなどどうでもよくなってしまうということだろう。
周りのことが気にならないくらい人を好きになったことがありますか?というメッセージではないかと僕は思う。
このドラマを観ていて、心屋仁之助さんの

本当に好きなことをやり続けるには一番嫌いなことをやらなければならない。

という言葉を思い出した。
吉瀬美智子演じる滝川利佳子は好きになった人の為に夜の水商売までするようになる。
貧乏な生活も苦にも思わないし、家族や裕福な暮らしを捨ててでも一緒になりたいと思うくらい惚れてしまったのだ。
もちろんそれが長く続くとは思わない。誰も思わない。
だからこそ、ああいうエンディングになったんだと思う。
元に戻ることが苦痛ではなく、今までと同じ生活に戻るだけ、ただそれだけのことと割り切って生きていくのである。

全編通して、女のしたたかさ、狡猾さ、嫉妬心という精神的なバトルが繰り広げられ面白かった。
ところどころ、現実の方がもっと上手く立ち回っている人もいるし、割り切っている人もいる。
そこら辺を描かなかったのはやはり、このドラマが不倫ものではなく、男女の恋愛ものであるということだと思う。
10代の学生の恋愛が学生であることから始まるように、
30代、40代の恋愛は結婚生活があるということから始まっているに過ぎないと思う。
音楽も良かった。菅野祐悟さんで、「MOZU」「ガリレオ」で音楽を担当されている方だ。
この人の音楽もすごく場面にあっていたし良かった。
とにかくこの「昼顔」を不倫ものとして片付けるにはもったいないくらい良質なドラマだったと思う。

……っていうか、こんなにドラマばっかり見ている場合じゃないねんけどなあ……。

いやあ、実に惜しい。本当に惜しい。

サッカーのアジアカップの事ではありません。
今シーズンのドラマ「問題のあるレストラン」のことです。
ストーリーも悪くないし、脚本も悪くない。
しっかりと女性からの正直な、率直な男性へのメッセージが込められてるし、
不器用な女性達が集まって店をオープンしやって行こうという筋立ても悪くない。
なのに、イマイチ入り込めない。
それはひとえにテンポの悪さだと思う。
ものすごくテンポが悪い、リズミカルじゃない。
「デート~恋とはどんなものかしら」「流星ワゴン」がテンポが良いという訳ではないが、
なんの違和感もなくドラマを観られるが、この「問題のあるレストラン」は凄くそのテンポの悪さが気になる。
流れが悪いというか、完全に演出のせいなのか編集のせいなのか分からないが見ていてつまずいたような感じが全編を通してある。
それと真木よう子さん。別に真木さんが悪い訳じゃない。それをキャスティングしたスタッフがダメなんだと思う。
真木さんは充分立派に演技してるし、それほど違和感がある訳ではないがどうもそのキャラにあっていない感じがする。
何より声の質が低すぎてキャラが捉えにくい。
低いと落ち着いていてクールでスマートな感じになるが、このたま子はそういうキャラではない気がする。
もちろん、言いたいことはしっかり的を外さずいう潔さは良いのだが、
おそらくこのたま子はまっすぐで後先考えずに自分の信念と衝動で動くタイプに見受けられる。
だからちょっとバカっぽさが垣間見えると良くなるのになあと思った。
年齢は30過ぎの設定らしいから難しいけれど、イメージで言うとリーガルハイ新垣結衣のみたいな感じ。
ちょっと元気を注入した綾瀬はるかとかそんな感じ。
演出も並木道子さんで好きな演出家なのだがどうも流れが悪い感じがする。
第一話の藤村五月役の 菊池亜希子さんはよかったし、今売り出し中の東出昌大さんや吹越満とかも上手いし、良い味を出していると思う。
だからこそもったいないなあと思う。
多分ストーリーはオーソドックスなものになるのだろうとは思う。
数々の困難やトラブルを乗り越え店をオープンし、ライクダイニングサービスに勝って、東出昌大演じる門司誠人が改心するっていう感じだろうが、
そのストーリーが進む中で女性目線の本音がバンバン出てくるんだろうと思う。
完全に女性、しかも主婦層を狙ったドラマだが男性の僕が見ても面白く見える。
ちょっと爽快感がないし、真木よう子演じる田中たま子が男性をもっと言いくるめるような、ぎゃふんと言わせるシーンが毎回あっても良いと思う。
とにかくしばらくは様子見というか、続けて見ていこうとは思う。

野村萬斎、万歳!

昨日「オリエント急行殺人事件 第二夜」を見た。
第一夜はアガサ・クリスティの原作を日本国内の事件として昭和の時代に合わせてアレンジしたもので、話の流れは同じ。
若干言葉遊びやコミカルな演出が付け足されているが、原作をリスペクトした良い作品になっていたと思う。
第一夜の感想は昨日書かせてもらった。
http://mogu.blog.jp/archives/20465217.html

第二夜は三谷幸喜オリジナル脚本で、原作では描かれなかった犯人側の視点で描かれている。
三谷幸喜がおそらく犯行に至るまでにはこういうことがあっただろう、
列車内で名探偵勝呂が乗客に一人一人質問している間、こういう心の動きがあったであろうと想像して作られた脚本である。
かなり練られているししっかりした脚本だったと思う。
ただ、なんというか普通のドラマであった。
取り立てて意外なストーリーでもなく、第一夜での勝呂の事件の真相を話す中で想像できる範囲であった。
その辻褄を合わせるためだけにストーリーが進み、若干退屈だった。

しかし、後半で、野村萬斎演じる勝呂武尊が出てくると途端にドラマが締まった。
一人のキャラクターが出るだけでこうも空気が変わるのかというくらいよくなった。
もちろん僕自身が野村萬斎の演技にかなり惹かれているからそう感じたという面も多分にあるが、
それでもあの名探偵ポワロをオマージュし真似て似せたしゃべり方だけでなく、
眉毛の動き、目力、喋る時や歩く時の動き、格好など全てが台詞以上に勝呂の心の内を表現していたと思う。
すばらしい狂言和泉流能楽師だと思う。
もっと他にも出演作を見てみたいものだ。(調べて見ると「のぼうの城」に主演しているらしい)

他の演者さんもさすがに上手いと思う。
ただ、玉木宏の演技がどうも鼻についた。
そういう演出だとは思うのだが、杏のおとぼけ感が弱かったし、
玉木宏は出るたんびにクロレッツと頭をよぎって集中できなかったし、安藤伯爵といういわば位の高い人を演じるからそういう口調であったり、動きになったのであろうが、どうも下手というか大根役者のように見えてしまった。
沢村一樹が能登陸軍大佐を見事に演じ、松嶋菜々子が聡明な家庭教師馬場を演じていたのを比べると異質だった。
また元アナウンサーの八木亜希子も頑張って演じていたのを見ると残念でならない。
もちろん杏の他のドラマを観ているので、下手な役者ではないとわかっているから演出がそういう指示だったとは思うのだが、どうもドラマの空気を乱していたと思う。
もっととぼけた感じにするか、お上品にするか偏った方がリズムが出来て良かったと思う。
玉木宏はどのドラマを観ても同じ演技しか出来ないような気がするし、どれも上手くはないと思う。

第二夜を観た後、もう一度第一夜を観たがやはり面白かった。
所見では気付かなかったカメラワークの巧さとかを感じれたし、なにより野村萬斎の演技力のうまさを再び感じることが出来た。
惜しむらくは途中から録ってしまったので、電車に乗るまでの経緯や流れが分からなかったのが残念だ。
しかし、勝呂の個性的でウザく傲慢な性格が見事に表現されていたし、
アガサ・クリスティのポワロシリーズは他にもたくさんあるから、これを機に続編を作ってもらいたいと思う。
連続ドラマでなくてもいいので、季節毎のスペシャルドラマとして作っても面白いと思う。
もっともネット上では賛否両論あるみたいで、くだらないという書き込みも多数見るがそれで良いと思う。
万人受けするドラマや映画よりは、ピンポイントでコアな層をターゲットに作っていった方がこれからは良いと思う。
野村萬斎という自分物を知れたことは大きな収穫だった。
もちろん名前も狂言師だということも知っていたが、人となりまでは知らなかったし、凄い実力をもっているからCMなんかにも出ているのだろうくらいにしか思っていなかった。
これからちょっと気をつけて動向を見てみようと思う。

オリエント急行殺人事件第1夜

風呂から上がり、何気なくテレビを付けスマホをいじっていると丁度「オリエント急行殺人事件」が始まっていた。
アガサ・クリスティの小説でも読んだし、イングリッド・バーグマン主演の映画も観た。

アガサ・クリスティの小説は好きで高校生の頃から読んでいたのだが、殊更「オリエント急行殺人事件」を面白いとは思わなかった。映画もそれほど盛り上がりもなく何が良いのかよく分からなかった。
観たのは二十歳頃だったと思うのだが、若かったのと出てる俳優のすごさを知らなかったから今観たらまた違うのかもしれない。
ご存じの方も多いと思うが、アガサ・クリスティはミステリー作家だが古い作家で1976年に亡くなっている。
アガサに影響を受けた作家がさまざまな作品を作り、それを目にしていた僕にはアガサの良さというのはミステリーよりもその動機やそこで繰り広げられるドラマの方が興味深かった。
何せ、アガサが作り出したトリックであるにも関わらず、それを参考にした作品を先に読んでいたため驚きも新鮮味もなかったのだから仕方がない。
ましてや、映画のイングリッドバーグマンの外見にはただただショックだった。
ヒッチコック映画が好きでよく見ていて、そこで初めてイングリッド・バーグマンを見てその美しさに惚れてしまった。
もちろんイングリッド・バーグマンの映画と言えば「カサブランカ」「誰がために鐘は鳴る」だろうが、
当時の僕にはヒッチコック映画に出ている女優というイメージだった。
ヒッチコックの女優と言えばグレース・ケリーであったり、ティッピ・ヘドレンであろうが、僕の中ではイングリッド・バーグマンの印象もかなり強い。
だから、なおさら年老いたイングリッド・バーグマンを見たショックの方が大きかった。

で、昨日、1月11日から日本版としてリメイクした「オリエント急行殺人事件」を放送することは知っていたが、
脚本が三谷幸喜ということもあり見るつもりなんてサラサラなかった。
とにかくこの作家の作品は面白くないし、つまらない。
世間では面白いと評判だが関西人の僕にしたら何が面白いのか分からない。
「吉本新喜劇」で育った僕には喜劇とは「吉本新喜劇」であり藤山寛美なのである。
また、テレビドラマも「王様のレストラン」「古畑任三郎」などを書いているがどれも薄っぺらいというか底が浅いというか、深みのない話ばかりでつまらない。
なぜ彼が重宝され話題となるのか分からない。
なので、見るつもりなんてなかったのだが、たまたまTVのチャンネルが関テレになっていて、時間が21時5分くらいだったので「オリエント急行殺人事件」が始まっていた。
もっともスマホでパズドラをし終えたらチャンネルを変えるなり、ハードディスクに録り溜めてあるバラエティーか何かを見るつもりだった。

パズドラでは丁度ドラゴンボールコラボが最終日で何としてもザーボンをドロップさせたかったので必死だったのだ。
TVで流れてくる声だけを聞きながらパズドラをしていた。
ただ、そこに主演している野村萬斎の声がやけに耳についた。
映画でいうところのエルキュール・ポワロ役の勝呂武尊を演じているのだが、これがとてもよかった。
引き込まれる演技というか声だった。
もちろん元のドラマや映画を参考に役作りをしているのだろうが、ちょっと物まねが入っている感じがあり、
でも悪ふざけにならず勝呂の人物をイメージさせるに充分な演技だった。
ポワロを知らない人が見たら、「なんちゅう演技をしているんだ」と思われるだろうが、
ちょっとユーモアを交えたでもしっかりオマージュしている感じがあって非常に好感が持てた。
当然ストーリーを知っているのでただただそれをなぞるようにドラマは進んでいるのだが、
野村萬斎の演技が素晴らしくぐいぐい引き込まれ退屈せずに見れる。というか目が離せなくなってくる。
それは「犯人は誰?」的なものではなく(ストーリーを知っているので当然犯人も知っている)、
役者、特に野村萬斎の演技でドラマをリードしているのである。

二夜連続のドラマで、一夜目は原作を基本にストーリーが進むが、今日の二夜目は犯人の立場でストーリーが進むらしいのでまた楽しみだ。
もっともそうなると野村萬斎の出番が少なくなるのでどういったドラマになるか楽しみである。

このところフジテレビの凋落振りが騒がれて久しいが、こういうモノが作れるというのはまだまだ捨てたもんじゃないと思う。
脚本が良いのか演出が良いのか僕には分からないが、とにかく楽しめたドラマである。
僕が思うにフジに限らずTVという媒体のあり方を考えるにこういう「良いものをとにかく流し続ける」に限ると思う。
TV離れが進んで久しいが、だからといって40代以降に迎合するような作りにするのではなく、
自分たちが面白いと思うモノをどんどん作っていけば良いと思う。
どうせ20%を越える番組なんてなかなか作れない時代になったのだから、ピンポイントで狙えば良いと思う。
もっとも大して真剣にTVを観ていない視聴者が簡単にクレームをネット上にあげたりするから、
制作者も苦労が多いだろうし、スポンサーあっての番組だから騒ぎにならないよう無難な作りになってしまうのも致し方ないのも分かるが、昨今、あまりにもクレームに敏感になりすぎてつまらないと感じる番組が増えた。
僕は面白くなければ見なければ良い、不快思えば消せば良いと言うスタンスなので、好き勝手にやれば良いと思う。
去年の大晦日テレビ大阪で「ざっくりハイタッチ」のスペシャル番組を生放送でやっていたが、それがものすごく面白かった。お笑い芸人のトークバラエティなのだが、ラスト一時間ほどの時に、「きっちり時限爆弾」というコーナーで10人のお笑い芸人がトークリレーをして、きっちり放送時間内におさめるというものが凄く面白かった。
きっちり終わらせるのはもちろん、そこに「笑い」を入れなくてはならない状況。
しかもリレーだから一人であまり喋りすぎるのもよくないし、短すぎてもいけない。
特にアンカーは持ち時間を決められてしまうので、その中で笑わせオチをつけなければいけないのでかなりハードになる。
それを見事に千原ジュニアがやりきったのだが、その前に出てきた9人の芸人もすごかった。
見事な話芸というものではなかったが、とにかく客を笑わせていた。
普段芸人とか見てもおもろない芸人もいたりするが、ああいう場ではしっかり仕事をするのを見せられると、
芸人という仕事も大変だなあと思う。
僕らがプロ野球を見て「なんであんなボール球振るねん!」と叫ぶように、
端から見たらプロがなんで出来ないのかと疑問に思うことがその場に立つと簡単でないことがよくわかる。
それぞれがたくさんの修羅場を越えてそこにいるわけで、そこには高度な駆け引きが繰り広げられているのである。
芸人なんかでもほんとに漫才やコントが面白くない芸人はたくさんいる。
しかしそういう面白くないと思う芸人達が集まって喋っていたら確実に面白い。
先日も「人志松本のすべらない話」をやっていたが、そこにSMAP香取慎吾稲垣吾郎がゲストで出演していて話を披露していたが、その内容以外にテンポであるとか間とかが全然ダメで、ああいうのを見ると
宮川大輔とか村本大輔がいくら面白くない話をしても、テンポとか言葉のチョイスとかはしっかりしているし、
ネタが面白くないだけで話芸という技術が相当高いということが分かる。
面白い面白くないは個人の感想でしかないので、その話は他の人が聞けば面白いかもしれない。
しかし技術というのは話の内容如何に関わらず誰しもが分かるもので、
変な間であったり言葉だったりすると話そのものが見えなくなったり聞くに耐えれなくなったりする。
少なくともテレビに出ているような芸人さん達は一定以上のレベルの持ち主だから、話を聞いてられる。

同じようなことが映画にもあって、つまらない映画を観たりすると損した気になったり、不平不満が出たりするが、
素人が作った映画だったり、日本やアメリカでも二流三流の監督が作った映画だと、面白い面白くない以前に、
見るに耐えない映画だったりする。
昔、20年ほど前に「14日の土曜日」というホラー映画を観たがこれが本当にひどくて「よくこんなモノを上映できたなあ」というレベルで、また今までにそれ以上にひどい映画を観たことがある。
もちろんヒットもしていないし、うたい文句は「隠れたホラー」だとか「ひそかに人気の名作」だとかつけられたりして期待してみるが散々だったりする。
映画としての体をなしてないというか、言葉でいうところの文法がおかしいのである。
これも昔の事だが、トータス松本だったかBO GUMBOSのどんとだったか、
音楽活動に限界を感じ渡米した時、あの有名なアーティストを輩出した街だからみんな上手い人ばかりでその中から勝ち残ったモノだけがスターになれるんだと思い、その空気に触れようとニューヨークだか、ニューオーリンズだかの街をブラブラしてたら、へたくそな奴ばっかりでビックリしたといっていたことがある。
その時は「こんな下手な奴でもミュージシャンって言ってええんや思ったらスーッと気持ちが楽になった」と言っていた。
レベルの高い人ばかりを見てるとその凄さが分からなくなるということはよくあることで、
ましてや自分がそれをやったことがなければなおさら分かるはずもない。
逆に自分が「まだまだだ」とか「才能ないわ」と思うことでも、上ばかり見ると確かにそうだけど、
意外と下を見たら自分が高いことに気付くこともある。
もちろんその高さにあぐらをかいてはいけないのだが、そこまで卑下することもないといこともある。
ただ一つ言えることはその世界のトップグループにいる人は、それが好きなのは当然のこと、
より良くなるため、それはより面白いとか、より良い音楽とかを作るため、生み出すためその事に情熱を注ぎ没頭しているということだと思う。
周りをよく観察し、狡猾に技術を盗んだりもする。
それに対して純粋だし、ひたむきだったり、人にどう思われようとこうなるんだという強い覚悟があると思う。
その心持ちを持ち続けられる者だけがその世界で生き残れるんだと僕は思う。
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